「健康寿命」とは、健康上の問題がない状態で日常生活をおくれる期間のこと。平均寿命と「健康寿命」の差は、介助や介護が必要となる期間にあたります。健康寿命を縮める原因には、運動機能の低下が大きく影響しています。
運動をすれば、加齢による運動機能の低加速度は、ゆるやかにできます。しかし、働き盛りの世代はなかなか時間が取れないのが現実。また、衰えを実感するとどうしても活動が鈍くなり、さらに運動機能が低下するという悪循環に陥ります。運動機能が衰えると引きこもりがちになり、こころの健康にも影響が出てきます。
階段の昇降は、筋肉・足関節の柔軟性・平衡性など、多くの身体構造と機能の組み合わせによる複雑な運動です。でも、いくら階段の昇り降りが身体にいいといっても、大きな負荷がかかることは誰もが避けたくなります。「超緩勾配階段」は、ゆるやかな傾斜でストレスを感じることなく昇り降りができる階段。子供からシニアまで負担が少なく、安全に毎日自然と運動を積み重ねることができます。
日常生活に必要な運動機能を高めるという目的であれば、階段の昇降は、単純なトレーニングよりも効果が高いといわれています。
少しプランを工夫することで、引きこもりになりにくい環境をつくることができます。階段から直接アクセス出来る位置に、集いの中心となるリビングやダイニングをレイアウトすることもその一つ。また、居室近くに近所の方を気軽に迎えられる空間を確保すれば、社会とのコミュニケーションが気軽に楽しめ、いきいきと心豊かに暮らせます。
1万3,240人。この数字は何だと思いますか?実は家庭内の不慮の事故で亡くなった方の数です。その内訳は、溺死や窒息、転倒・転落などが多くを占めており、何気ない普段の生活が多くの危険をはらんでいることがわかります。
シニアが住宅で困っていることは、段差や階段、間取りの不便さ、設備の使いにくさなど。不便や危険を感じると、居室の間の移動や外出をあきらめ、活力が衰えてしまいがちに。家事を人まかせにすることも多くなり、次第にできることもできなくなる悪循環に陥ります。
シニア世代の約7割 が将来日常生活に不便が生じるようになっても、自宅に住み続けることを希望しています。しかし、実際は8割近くが家族の介護負担に気がねし、在宅介護をあきらめています。家族の負担を減らすことができれば、もっと多くの方が住み慣れたわが家で暮らし続けられるのです。
各部屋への動線をシンプルにしたり、車椅子でもスムーズに出入りできるような間取りや扉を設けるなど、誰もが快適に住まえるようにあらかじめ将来を想定して設計しています。
将来子供部屋と主寝室をリフォームすることを想定した設計。車椅子になっても、できる限りのことは自分でできるよう、はじめから大きく開く4枚引戸にしておきます。
介護が必要になったときは、介護をサポートする間取りにスムーズに変更でき、自宅での生活が容易になります。介護する方も介護が必要な方を見守りつつ、プライバシーを満たすこともできるので、家族全員がずっと笑顔で過ごせます。
子供部屋と主寝室を介護する方とされる方のスペースに。4枚引き戸なので、トイレの側面を開放することもでき介護がスムーズです。
水まわりや玄関など日常生活に不可欠な場所には、インテリアになじむ手摺りを設けたり、必要になったらすぐに手摺りが設置できるよう下地をあらかじめ補強しておきます。またオリジナル空調システムで室内の温度差を抑えて、ヒートショックを防ぐなど、家庭内の事故を予防します。