近年注目されているのが、洗濯に関する家事を楽にすることができる「ランドリールーム」です。共働き世帯の増加や、花粉・黄砂・雨天などで外干しが難しい日が増えたことから、室内干しや家事効率を重視する世帯の支持を集めています。しかし、広さや配置を間違えると「狭くて使いにくい」「湿気がこもる」などの後悔につながりかねません。
この記事では、ランドリールームのメリット・デメリットをはじめ、失敗しないための間取りや動線のポイント、さらに実際の建築実例も紹介します。
ランドリールームとは？注目される理由を解説
ランドリールームとは、洗濯・乾燥・干す・畳む・収納といった洗濯にまつわる家事を行える専用空間のことです。「ユーティリティスペース」や「家事室」と呼ばれることもあります。
従来は脱衣所やベランダなどで分散して行っていた家事を、ランドリールームにまとめることで効率良く進められるのが大きな特徴です。注目される主な背景に、共働き世帯の増加や家事の時短・効率化へのニーズの高まり、生活感を抑えたインテリア志向があります。花粉・黄砂・PM2.5などの付着を懸念し、外干しを避けるようになった方もいるでしょう。こうした課題を解決できる空間として、ランドリールームは近年ますます人気を集めています。
ランドリールームとサンルームとの違い
サンルームは、本来「太陽光を楽しむための居室や趣味のスペース」として設けられる空間で、ランドリールームとは用途が異なります。しかし、日本の住宅ではサンルームを室内干しスペースとして使うケースもあり、両者が混同されやすいのが実情です。
大きな違いは、ランドリールームは“家事の効率性”を重視する空間であるのに対し、サンルームは“快適性や居心地の良さ”を重視する空間である点です。目的に合わせてどちらを採用するか検討することで、より快適な住まいづくりが叶います。
ランドリールームのメリット・デメリット
ランドリールームを検討する際は、自分たちの暮らし方に合っているかを見極めることが大切です。ここでは、導入前に知っておきたい主なメリットとデメリットを紹介します。
ランドリールームのメリット
ランドリールームを取り入れることで、洗濯関連の家事をより効率的に行えるようになります。
・家事効率が上がる
洗濯にまつわる家事をまとめて行えるため、移動の手間が少なくなります。家事動線が短縮され、時間と労力の両方を削減できるのが大きな魅力です。
・天候や時間を気にせず洗濯できる
雨や花粉、黄砂、PM2.5などの影響を受けずに洗濯でき、夜間や早朝でも安心して室内干しが可能です。外干しが難しい季節や共働き家庭にも重宝します。
・生活感を隠せる
洗濯物をリビングや寝室に干す必要がなくなり、住空間をすっきりと保てます。ゲストの目にも触れにくいため、生活感を抑えたい方に最適です。
・収納と組み合わせて便利に使える
ファミリークローゼットや洗面脱衣室とつなげることで、洗濯から収納までの動線が一本化され、作業効率が格段に向上します。
ランドリールームのデメリット
便利なランドリールームですが、設計を誤ると「思ったほど使わなかった」と後悔するケースもあります。導入前に、以下の注意点を確認しておきましょう。
1.スペースの制約
限られた敷地面積ではランドリールームの確保が難しく、居住スペースが削られる可能性があります。特に都市部の狭小住宅やコンパクトな間取りでは、リビングや個室の広さとのバランスを慎重に検討しましょう。
2.湿気・カビ対策が必須
換気が不十分だと、生乾き臭やカビの発生につながるおそれがあります。換気扇や除湿機を設置するほか、窓の配置や風の通り道、自然光の取り入れ方を意識した設計が大切です。
3.使わなくなるリスク
乾燥機の性能向上やライフスタイルの変化により「思ったより使わなかった」「物置になってしまった」というケースもあります。家族の生活動線や洗濯習慣を踏まえ、無理のない広さ・配置で計画することが後悔を防ぐポイントです。
失敗しないランドリールームの間取りと動線の工夫
ランドリールームを快適に使い続けるためには、広さ・配置・動線の3つをバランスよく設計することが大切です。ここでは、失敗しないために押さえておきたい設計のポイントを紹介します。
ランドリールームの広さはどのくらい必要？
ランドリールームに必要な広さは用途によって異なるものの、2帖程度が目安です。洗濯機を置き、干す・畳む・収納するといった一連の動作を行うには、それなりのスペースが求められます。
家族4人以上の世帯では、3〜4帖の広さがあると快適です。スペースが狭すぎると洗濯物が室内にあふれたり、動線が混雑したりするなどストレスの原因になるため、実際の使い方を想定して広さを検討しましょう。
ランドリールームのおすすめ配置パターン
ランドリールームの配置は、日々の家事動線とのつながりを考えましょう。たとえば、洗面脱衣室と直結させれば、入浴や着替えと同じ流れで洗濯作業ができ、自然な家事動線がうまれます。キッチンの近くに配置すれば、料理の合間に洗濯機を回したり干したりするなど、並行作業がしやすくなります。
さらに、バルコニーに隣接させると、晴れた日はすぐに外干しができ、雨天時は室内干しに切り替えるといった柔軟な使い方も可能です。最近では、ファミリークローゼットとランドリールームを一体化させる間取りも注目されています。洗濯物を干してそのまま収納できるため、移動が最小限になり、家事の負担を軽減できます。
家事ラクを叶えるランドリールームの動線
ランドリールームの動線は「洗う → 干す → 畳む → しまう」という流れを一カ所で完結させる設計が理想です。収納スペースを近くに配置しておくと、家事の往復移動を減らせるうえ、洗濯物の一時置きが発生しにくくなり、空間をすっきりと保てます。
リビングや廊下を経由する動線は移動が増えて負担になるため、洗面室・ランドリールーム・収納スペースを一直線につなげた“最短距離”の動線づくりを意識しましょう。
ランドリールーム設計でよくある失敗と注意点
ランドリールームの失敗で多いのが、物干しスペースの不足です。洗濯物の量が多い家庭では、ハンガーパイプや昇降式物干しユニットを設けるなど、省スペースでも干しやすい工夫を取り入れましょう。
また、ランドリールームは湿気がこもりやすいため、換気扇の設置や窓による通風に加え、自然光を取り込める設計を心がける必要があります。さらに、ランドリールームの配置も気をつけるべきポイントです。家族が頻繁に行き来する廊下の動線上に配置すると、日常的なストレスや混雑の要因になります。あらかじめ動線を整理し、スムーズに移動できるように設計しましょう。
ランドリールームを快適に使うための設備・収納アイデア
ランドリールーム内の湿気やカビを防ぎ、家事効率を高めるためには、設備や収納の工夫が欠かせません。ここでは、“家事ラク空間”に仕上げるためのアイデアを紹介します。
湿気や暗さを防ぐ！換気・除湿・採光のポイント
ランドリールーム内の湿気やニオイを防ぐには、換気扇や24時間換気システムの設置が効果的です。除湿機やエアコンを併用すれば、雨の日や梅雨時でも洗濯物を乾かしやすい環境が整います。
また、自然光や風を取り入れられるように窓の位置を工夫したり、高窓やスリット窓を採用したりするのも有効です。
干す作業をスムーズに！物干しスペースのつくり方
天井付けの昇降式物干しは、使用しないときに天井へ収納できるため、スペースを有効活用できます。必要なときだけ広げられる壁付けの折り畳み式物干しも便利で、生活の邪魔になりません。
ハンガーパイプと可動棚を組み合わせることで、洗濯物の量や種類に応じた干し方ができるでしょう。
片付けやすい！ランドリールームの収納アイデア
ランドリールームの収納計画は、家事効率を大きく左右するポイントです。タオルや下着類をすぐに片付けられる棚や引き出しを設けると、畳んだ洗濯物をその場で収納できて便利です。
ファミリークローゼットと直結していれば、収納動線がさらにスムーズになります。洗剤や洗濯ネット、ハンガーなどの小物類はワゴンや可動式ラックを使って整理しておくと、必要なときにすぐ取り出せて便利です。
アイロンや畳み作業に便利！作業スペースの取り入れ方
アイロンがけや畳む作業を快適に行うために、専用の作業スペースを確保しましょう。ランドリールーム内にカウンターを設けると、洗濯物をすぐに広げてアイロンをかけたり畳んだりでき、作業効率が大幅にアップします。
折り畳み式の台を使えば、使わないときはスッキリ収納でき、必要なときだけスペースを確保できます。アイロンや除湿機、掃除機などの使用を想定し、コンセントの位置を計画的に配置しておきましょう。
建築実例で学ぶ！暮らしに合ったランドリールームのアイデア
ランドリールームの設計を考える際は、実際に建てられた住まいの実例を参考にすると、より具体的なイメージをつかみやすくなります。ここでは、トヨタホームの建築実例から、ランドリールームのある住まいを紹介します。
花粉や虫も安心！家事効率を叶える広々ランドリールーム実例
この住まいで奥様が最もこだわったのは、ランドリールームの広さです。ご主人は虫が苦手、奥様は花粉症という理由から、賃貸時代は部屋干し派だったそうです。「一部屋減らしてもランドリールームが欲しかった」という強い思いを形にし、広々とした空間を実現しました。
室内には洗濯機のほか、たっぷり干せる物干しバーと広いカウンターを設置。その下には下着やルームウェアを収納できる引き出しを備えています。洗う・干す・片付けるまでの動作がすべてこの部屋で完結し、衣類の持ち運びが不要になったことで、日々の家事負担が大幅に軽減されています。
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室内干しを快適に！外干しへの動線もスムーズなランドリールーム実例
天井吊りの物干しバーを2本設置し、雨の日や夜間でも十分な量を干せる環境を整えた間取りです。洗濯機の上には可動棚と収納ボックスを設け、洗剤や小物をすっきり整理できるよう工夫されています。
また、大きな掃き出し窓を採用し、バルコニーやテラスへ直接アクセスできる動線を確保している点も特長です。室内干しと外干しの切り替えがスムーズで、天候や時間帯を問わず柔軟に使い分けられる実用的な間取りです。
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全館空調で一年中快適！ランドリールームとしても活躍する洗面脱衣室
この住まいでは、洗面脱衣室をランドリールームと兼用できるよう設計しています。特長は、トヨタホームの全館空調「スマート・エアーズ PLUS」の吹き出し口を設けている点です。
室温と湿度を一定に保てるため、洗濯物を干してもジメジメせず、一年を通して快適に使用できます。また、広めのカウンターを設けることで、洗濯物を並べたり畳んだりする作業の効率化を図れます。洗う・干す・畳むまでを一カ所で完結できる、快適性と機能性を兼ね備えた高性能ランドリースペースです。
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実例豊富なトヨタホームで、理想のランドリールームを実現しよう
ランドリールームは、家事の効率化や快適な暮らしに役立つ一方で、広さ・動線・換気などを工夫しないと「思ったより使いにくい」と感じることもあります。そのようなときに参考になるのが、実際に建てた方の住まいの事例です。
トヨタホームには、家族のライフスタイルに合わせたランドリールームの施工実績が豊富にあります。室内干しの工夫や収納設計、全館空調を活かした快適な空間づくりなど、多彩なアイデアを提案しています。
実例をチェックすることで、自分の理想に近い間取りや工夫がきっと見つかるはずです。洗濯に関する動線の流れをスムーズにしたい方は、ぜひトヨタホームの実例ページやモデルハウスで体感してみてください。
【全国のトヨタホーム展示場を探す】
https://www.toyotahome.co.jp/s/tenjijo/?ad_cd=hometag
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ランドリールームに関するよくある質問
どのくらいの広さがあると使いやすいですか？
2帖以上あると快適に使えるケースが多いですが、洗濯機＋乾燥機＋物干しスペース＋収納棚を設ける場合は3〜4帖程度がおすすめです。アイロン台や作業台を設置する場合は、5帖以上あると余裕をもって動けます。
間取りで失敗しやすいポイントはありますか？
ランドリールームの設置における後悔の主な理由は以下のとおりです。
・脱衣室と離れていて使いづらい
・換気・採光が不足して湿気がこもる
・物干し竿の位置が高すぎて不便
後悔を避けるには、洗面・脱衣・ファミリークローゼットを一直線に配置する「回遊動線」が理想です。
換気や湿気対策はどうすればいいですか？
ランドリールームは湿度が上がりやすいため、換気扇・除湿機・サーキュレーターの併用が推奨されます。また、窓や換気口を2方向に設けて空気の流れを作ると、カビ防止にもつながります。
室内干しスペースの設計で気をつけることは？
天井吊り下げタイプのホスクリーンや昇降式物干しを使うと便利です。物干し竿の位置は床から約180cmが目安で、エアコンや送風機を併設しておくと乾燥効率が大きく変わります。
日当たりが悪い場所でもランドリールームは作れますか？
換気・除湿・乾燥設備を充実させれば、北側や1階でも快適に使えます。窓の代わりに明かり取りの採光窓や調湿建材（珪藻土など）を採用するとより効果的です。
ランドリールームをおしゃれに見せるコツは？
見せる収納を活かし、ナチュラルな棚板やアイアンバー、タイル壁を組み合わせると、清潔感とデザイン性を両立できます。木目×ホワイト×グレーなど、淡いトーンでまとめると空間が広く見えます。
洗濯動線を考えると、どこに配置するのが理想ですか？
「洗う→干す→畳む→しまう」の流れを短縮できるよう、洗面脱衣室とファミリークローゼットの間に配置するのがベストです。“動線3秒”の距離感を意識することで、家事効率が格段に上がります。
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