日本では、地震への備えを考慮した家づくりが重要です。本記事では、耐震住宅の基本概念から耐震等級の選び方、費用、施工会社を選ぶ際のポイントまで詳しく解説します。耐震・制震・免震の違いや耐震等級の考え方を知り、地震への備えを考える際の判断材料として役立ててください。
<このような方におすすめ>
・地震に強い家を建てたいけど、耐震・制震・免震の違いがわからない方
・耐震等級3は本当に必要なのか、費用に見合うか判断したい方
・「耐震等級3」と「耐震等級3相当」の違いなど、住宅会社選びで確認すべき点を知りたい方
<この記事のまとめ>
・耐震は揺れに耐える・制震は揺れを吸収する・免震は揺れを抑えるという違いがあり、費用は耐震・制震・免震の順で高くなる
・耐震等級3は熊本地震でも被害が小さかった調査結果があるが、第三者評価のない「耐震等級3相当」では地震保険の割引などが使えない場合がある
・耐震性は等級だけでなく構造計算の方法・地盤・基礎まで含めて確認し、保証やアフターサービスもそろえて会社を比較することが大切
耐震住宅とは?地震に強い家の基本を知ろう

まずは耐震住宅の定義や一般住宅との違い、家づくりの基本となる「新耐震基準」のポイントをわかりやすく解説します。
耐震住宅の定義と一般住宅との違い
耐震住宅とは、柱や壁、基礎などの構造によって、地震の揺れに耐えられるよう設計された住宅です。
現在の新築住宅には、建築基準法に基づく耐震基準への適合が求められています。さらに、耐震等級を高めたり、制震・免震技術を取り入れたりすることで、地震に対する性能を高めることもできます。
「新耐震基準」とは
建築基準法の耐震基準は、過去の地震被害などを踏まえて見直されてきました。1981年6月1日に施行された新耐震基準では、大規模な地震に対して建築物が倒壊・崩壊することを防ぐための基準が設けられました。
さらに2000年には、木造住宅について地盤調査の実施や、柱・梁などの接合部、耐力壁の配置などに関する規定が明確化されました。
中古住宅を購入する際は、建築された時期だけでなく、適用された耐震基準や建物の状態などを確認することが大切です。
耐震・制震・免震の違いをわかりやすく解説
耐震・制震・免震の仕組みや特徴、費用の違いを整理し、それぞれの地震対策の特徴を理解できるよう解説します。
耐震|揺れに「耐える」構造
柱や壁、筋交いなどで建物の強度を確保し、地震の揺れに耐える構造です。建築基準法では、地震に対して建物が安全性を確保するための基準が定められており、新築住宅にも適用されます。
耐震構造は、建物そのものの強度を高めて地震による倒壊・損傷のリスクを低減する考え方です。一方で、建物に地震の揺れが伝わるため、家具の転倒防止など、室内の安全対策もあわせて検討しましょう。
制震|揺れを「吸収する」構造
建物内部に設置した制震ダンパーなどの装置が、地震によって建物に加わるエネルギーを吸収し、揺れや建物の変形を抑える構造です。
耐震構造と組み合わせて採用することもでき、繰り返し発生する地震への対策として取り入れられる場合があります。費用は、ダンパーの種類や設置箇所、建物の規模などによって異なりますが、30〜100万円程度が目安とされるケースがあります。
免震|建物に伝わる揺れを「抑える」構造
建物と地盤の間に免震装置を設置し、地盤の揺れが建物に伝わるのを抑える構造です。建物自体の揺れを大きく抑えやすく、家具の転倒や建物内部の損傷を抑える効果も期待できます。
免震装置の導入には、建物の規模や採用するシステムなどに応じた費用がかかります。300〜600万円程度が目安とされるケースもありますが、敷地や地盤の条件によっても異なります。また、装置の点検やメンテナンスについても確認しておきましょう。
【比較表】特徴・費用の違い
| 項目 | 耐震 | 制震 | 免震 |
| 基本的な考え方 | 建物を強くして揺れに耐える | 地震のエネルギーを吸収して揺れを抑える | 建物に伝わる揺れを抑える |
| 主な特徴 | 建物の強度を高める | 耐震と組み合わせて使える | 建物への揺れを大きく抑えやすい |
| 費用目安 | 基本仕様に含まれる場合がある | 追加費用がかかる場合がある | 耐震・制震より高額になりやすい |
耐震住宅の強さを示す「耐震等級」とは
耐震等級の違いや耐震等級3が注目される理由、等級を決める際のポイント、「耐震等級3」と「耐震等級3相当」の違いについて解説します。
耐震等級1・2・3の違い
耐震等級とは、住宅性能表示制度において、地震に対する建物の倒壊・崩壊などのしにくさを3段階で評価する指標です。
耐震等級1を基準として、等級2は1.25倍、等級3は1.5倍の地震力に対する性能を有する水準とされています。
| レベル | 内容 |
| 耐震等級1 | 建築基準法で定められた耐震性能を満たす水準 |
| 耐震等級2 | 等級1で想定する地震力の1.25倍に耐えられる水準 |
| 耐震等級3 | 等級1で想定する地震力の1.5倍に耐えられる、住宅性能表示制度における最高等級 |
耐震等級は、数字が大きくなるほど、より高い耐震性能を確保するための基準になっています。どの等級を選ぶかは、間取りや予算、求める耐震性能などを踏まえて検討しましょう。
なぜ耐震等級3が推奨されるのか
2016年の熊本地震では、震度7を観測する地震が2回発生しました。国土交通省 国土技術政策総合研究所と建築研究所などが、益城町中心部の建物を一棟ずつすべて調べた調査では、 構造躯体が耐震等級3だった木造住宅16棟のうち、14棟が無被害、2棟も軽微または小破にとどまり、倒壊・大破した住宅はありませんでした。
こうした調査結果から、耐震等級3は、繰り返し発生する地震に対する住宅の被害を抑える観点でも注目されています。
ただし、地震による被害は、建物の構造や築年数、地盤、地震の揺れ方などによって異なります。耐震等級3であれば建物の被害が生じない、あるいは地震後もそのまま住み続けられると保証されるわけではありません。
出典:熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会 報告書(国土交通省 国土技術政策総合研究所・建築研究所、2016年)|概要/第3章 被害状況・被害要因等の分析
耐震等級は施主の希望と設計によって決まる
耐震等級は、住宅性能表示制度に基づいて、設計された住宅の耐震性能を評価するものです。
住宅を建てる際は、施主が希望する耐震性能や予算などを踏まえて目標とする等級を検討し、その等級に応じた構造設計を行います。住宅性能表示制度を利用する場合は、登録住宅性能評価機関による評価を受け、耐震等級などの性能を確認します。
家づくりの初期段階で、目指す耐震等級や構造計算の方法、住宅性能評価を取得する予定があるかなどを建築会社に確認しておきましょう。
「耐震等級3」と「耐震等級3相当」の違い
「耐震等級3」は、住宅性能表示制度に基づく評価を受け、住宅性能評価書などによって耐震等級3であることを確認できる状態を指します。
一方、「耐震等級3相当」は、建築会社などが独自の基準によって、耐震等級3と同程度の性能を有すると説明している場合に使われる表現です。住宅性能表示制度による評価を受けているとは限りません。
両者の大きな違いは、第三者機関による評価を受けたことを示す書類の有無です。耐震等級3であることを証明する書類が要件となる地震保険の割引や各種制度では、「耐震等級3相当」では利用できない場合があります。
耐震性能を比較するときは、「耐震等級3相当」という表記だけで判断せず、第三者機関による住宅性能評価を受けているか、耐震等級を確認できる書類が発行されるかを建築会社に確認するとよいでしょう。
耐震住宅のメリット

家族の命と住まいを守る安心感、地震保険の割引、台風への耐久性など、耐震住宅ならではの魅力を紹介します。
地震に対する建物の安全性を高められる
耐震性を高めた住宅は、地震による建物の倒壊・崩壊などの被害を低減することが期待できます。特に耐震等級を高めることで、地震に対してより高い性能を確保することが可能です。
ただし、耐震性能が高い住宅でも地震による損傷を完全に防げるわけではなく、地盤や建物の条件、地震の規模などによって被害の程度は異なります。住宅を建てる際は、耐震等級だけでなく、構造や地盤・基礎なども含めて耐震性能を確認するとよいでしょう。
台風・強風にも強い
耐震構造は水平方向(横)からの力に強く作られているため、地震だけでなく台風や竜巻といった暴風時にも効果を発揮します。建物の変形や損傷を最小限に抑え、自然災害全般に対する安心感が高まります。
耐震住宅のデメリット
建築コストの上昇や間取りの制約、繰り返し発生する余震への対策など、耐震住宅のデメリットと解決策を解説します。
建築コストが上がりやすい
等級を上げると補強材や構造計算の費用が増加し、制震装置の追加などで建築費が上がります。対策として、地震保険の割引や税制優遇・補助金を活用するほか、必要な性能を見極めて過剰な仕様を避けることが有効です。
間取り・設計に制約が出る場合がある
耐震性を確保するために耐力壁や柱などを配置することで、希望する間取りによっては大開口や大きな吹き抜けなどに制約が生じる場合があります。
ただし、必要な耐震性能と間取りの自由度を両立する方法は、建物の構造や工法などによって異なります。間取りを重視したい場合は、希望するプランを伝えたうえで、耐震性能をどのように確保するのか建築会社に確認しましょう。
繰り返し発生する地震への備えが必要
大きな地震では、本震だけでなく、その後に複数の地震が発生する場合があります。こうした繰り返しの揺れへの対策として、耐震構造に加えて制震ダンパーなどを採用する方法があります。制震ダンパーは、地震によって建物に加わるエネルギーを吸収し、揺れや建物の変形を抑える仕組みです。
制震を採用する場合は、どのような揺れや変形を抑えることを想定しているのか、装置の種類や設置位置などを建築会社に確認しておきましょう。
耐震性を高める仕組み(構造・工法)

耐力壁や耐震フレーム、構造計算、制震ダンパー、地盤・基礎など、建物の耐震性に関わる主な仕組みについて解説します。
耐力壁・耐震フレームと構造計算
地震に強い家づくりでは、横から加わる力に抵抗する「耐力壁」や「耐震フレーム」を適切に配置することが重要です。耐力壁は単に量を増やすだけでなく、建物全体のバランスや接合部の仕様なども耐震性に関係します。
また、構造計算の一つである「許容応力度計算」では、柱や梁、基礎などに生じる力を確認し、構造部材がどの程度の力に耐えられるかを検討します。間取りの自由度と耐震性の両方を重視したい場合は、どのような構造計算を行っているかを建築会社に確認するとよいでしょう。
壁量計算と許容応力度計算
木造住宅の構造を確認する方法には、「壁量計算」と「許容応力度計算」があります。
壁量計算は、地震や風などの力に対して必要な壁量を確認する方法です。一方、許容応力度計算では、柱や梁、基礎などに生じる力を確認し、構造部材の安全性をより詳細に検討します。
耐震等級3を取得する場合でも、どのような方法で構造を検討しているかは建築会社によって異なります。耐震性を重視する場合は、耐震等級だけでなく、採用している構造計算の方法についても確認しておくとよいでしょう。
なお、2025年4月の建築基準法改正では、木造戸建住宅の建築確認・検査の対象となる範囲や、構造関係の審査対象が見直されました。いわゆる「4号特例」も縮小され、木造2階建て住宅などでは、構造関係の図書の提出が必要となるケースが増えています。また、壁量基準や柱の小径に関する基準も見直されています。
制震ダンパーの活用
制震ダンパーは、地震によって建物に加わるエネルギーを吸収し、建物の揺れや変形を抑えるための装置です。耐震構造と組み合わせて採用することで、地震時の建物への負担を抑えることが期待できます。
また、繰り返し地震への対策として制震技術を取り入れる方法もあります。制震ダンパーの種類や設置位置によって効果は異なるため、どのような揺れや変形を抑えることを想定しているのか、建築会社に確認しておきましょう。
地盤・基礎の重要性
建物の耐震性を考える際は、建物本体だけでなく、地盤や基礎についても確認することが大切です。まず地盤調査を行い、地盤の状態に応じて必要な地盤改良や基礎の仕様を検討します。
基礎は「ベタ基礎」などの種類だけで判断するのではなく、地盤や建物の条件に適した仕様になっているかを確認しましょう。また、土地を選ぶ段階では、ハザードマップや地盤情報などを活用し、地震による揺れやすさや液状化の可能性についても確認しておくと安心です。
耐震住宅の費用相場
耐震等級3を取得する場合にかかる構造計算や住宅性能評価、必要な補強工事などの費用と、制震・免震を導入する場合の費用の目安を解説します。
耐震等級を上げる費用の目安
耐震等級3を取得するためにかかる費用は、建物の規模や構造、設計内容、依頼する建築会社などによって異なります。構造計算や住宅性能評価の申請・検査、耐力壁や柱などの補強が必要になる場合があり、それぞれに費用が発生します。
主な費用の目安は以下のとおりです。
| 項目 | 費用目安 |
| 構造計算(許容応力度計算)費 | 約20〜40万円 |
| 住宅性能評価の申請・検査費 | 約10〜40万円 |
| 補強工事費(柱や耐力壁など) | 数十万円程度 |
ただし、これらの費用がすべて追加で発生するとは限りません。建築会社によっては、構造計算や耐震等級3に対応する仕様が標準に含まれている場合もあります。
また、耐震等級3を取得するために必要な補強内容によっても費用は変わります。見積もりを比較する際は、耐震等級の取得費用だけでなく、構造計算や住宅性能評価、補強工事など、どの項目が含まれているのかを確認しましょう。
制震・免震を加える場合の費用
耐震構造に加えて制震や免震の仕組みを導入する場合は、別途費用がかかります。
制震ダンパーの設置費用は30万〜100万円程度が目安とされますが、ダンパーの種類や設置箇所、建物の規模などによって変動します。
一方、免震装置は建物と地盤の間に設置するため、制震ダンパーと比べて導入費用が高くなる傾向があります。費用は300〜600万円程度が目安とされるケースがありますが、建物の規模や敷地条件、採用する免震システムなどによって異なります。また、導入後の点検やメンテナンスにかかる費用についても確認しておきましょう。
耐震・制震・免震は、それぞれ地震への備え方が異なります。費用だけで判断するのではなく、耐震等級、建物の構造、敷地条件、間取り、予算などを踏まえて、どのような地震対策を取り入れるか検討することが大切です。
耐震住宅に使える制度(地震保険・補助金・減税)
耐震等級に応じた地震保険料の割引制度や、新築・リフォームで利用できる税制優遇、補助制度について解説します。
耐震等級による地震保険の割引率
地震保険には、住宅の耐震性能などに応じて保険料が割り引かれる制度があります。耐震等級による割引率は、耐震等級1が10%、等級2が30%、等級3が50%です。また、免震建築物も50%の割引が適用されます。
割引を受けるには、住宅性能評価書や耐震性能を確認できる書類など、所定の確認資料が必要です。なお、割引の適用条件や必要書類は契約内容などによって異なるため、加入する保険会社に確認しましょう。
耐震関連の補助金・減税制度
耐震性能を高めた住宅の取得や改修では、一定の条件を満たすことで税制優遇や補助制度を利用できる場合があります。
たとえば、長期優良住宅の認定を受ける場合、認定基準には耐震性に関する要件が含まれており、住宅の構造や規模などに応じた基準を満たさなければなりません。認定を受けた住宅は、不動産取得税や固定資産税などについて、一定の税制上の特例を利用できる場合があります。
また、新築住宅では、省エネ性能などの条件を満たすことで住宅ローン減税の控除限度額が変わる場合があります。既存住宅については、一定の耐震改修を行った場合に、所得税の控除や固定資産税の減額措置の対象となる制度があり、自治体によっては耐震診断や耐震改修に対する補助制度を設けている場合もあります。
税制や補助制度は、住宅の種類や工事内容、所得、居住地域などによって適用条件が異なります。また、制度の内容は年度によって変更されることがあるため、利用を検討する際は国や自治体、税務署などの公式情報を確認しましょう。
後悔しない耐震住宅の選び方・見分け方
耐震等級や構造計算の確認方法、耐震性能を確認する際のポイント、建築会社の選び方について解説します。
耐震等級3・構造計算の有無を確認する
住宅を検討する際は、耐震等級がいくつに設定されているかを確認しましょう。耐震等級3を希望する場合は、標準仕様として対応しているのか、オプションとして取得するのかも確認しておくと安心です。
また、木造住宅では「壁量計算」や「許容応力度計算」など、構造を確認します。どのような方法で構造を検討しているのか、建築会社に確認しておきましょう。
さらに、第三者機関による住宅性能評価を受け、住宅性能評価書を取得できるかも確認するポイントです。耐震等級だけでなく、構造計算の方法や地盤・基礎の仕様などについて説明を受け、耐震性能を判断するための情報を確認しましょう。
実績・保証・アフターサービスで会社を選ぶ
建築会社を選ぶ際は、耐震性能だけでなく、保証やアフターサービスについても確認しましょう。構造耐力上主要な部分の保証期間や、定期点検・メンテナンスの内容、地震などによる被害が発生した場合の対応について、事前に確認しておくと安心です。
また、施工実績を確認する際は、「大地震で倒壊ゼロ」といった実績だけで判断するのではなく、どのような建物を対象とした実績なのか、どのような地震・地域での実績なのかなど、具体的な内容を確認することが大切です。
価格だけで比較するのではなく、耐震等級、構造計算の方法、地盤・基礎、保証やアフターサービスなどの条件をそろえて複数の建築会社を比較すると、違いを把握しやすくなります。展示場やモデルハウスでは、構造や耐震性能について担当者から具体的な説明を受け、疑問点を確認しておきましょう。
地震に強い家は「構造」と「会社選び」から
後悔のない家づくりには、確かな技術と豊富な実績を持つ施工会社を選ぶことが重要です。
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耐震住宅に関するよくある質問(FAQ)
耐震住宅を検討中の方から多く寄せられる3つの質問に、わかりやすく回答します。
耐震等級3は本当に必要?
耐震等級3は、住宅性能表示制度における最高等級で、等級1で想定する地震力の1.5倍に対する性能を有する水準です。等級3を取得するかどうかは、予算や間取り、求める耐震性能などを踏まえて検討しましょう。
2016年の熊本地震では、耐震等級3の住宅について、建物の被害が小さかったことを示す調査結果も報告されています。ただし、地震による被害は地盤や建物の条件などによって異なるため、耐震等級だけで被害の程度が決まるわけではありません。
出典:
熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会 報告書(国土交通省 国土技術政策総合研究所・建築研究所、2016年)|第3章 被害状況・被害要因等の分析
制震・免震も付けたほうがよい?
耐震・制震・免震には、それぞれ異なる特徴があります。制震は、建物に伝わる地震のエネルギーを吸収し、揺れや建物の変形を抑える仕組みです。耐震構造と組み合わせて採用することもできます。
免震は、建物と地盤の間に免震装置を設置し、建物に伝わる揺れを抑える仕組みです。耐震や制震と比べて導入費用が高くなりやすく、敷地や地盤などの条件も確認する必要があります。
どの方法を採用するかは、耐震等級、建物の構造、敷地条件、間取り、予算などを踏まえて検討するとよいでしょう。
中古住宅でも耐震性能を高められますか?
中古住宅でも、耐震診断の結果などを踏まえて、耐力壁の追加や接合部の補強などの耐震改修を行い、耐震性能を高められる場合があります。住宅の状態によっては、制震装置を取り入れる方法もあります。
特に、1981年5月31日以前に建築確認を受けた住宅は、現在の耐震基準とは異なる旧耐震基準が適用されているため、耐震診断や耐震改修を検討する際の確認ポイントです。
ただし、築年数だけで耐震性を判断することはできません。まずは耐震診断などによって建物の状態を確認し、必要な改修内容を検討しましょう。自治体によっては、耐震診断や耐震改修に対する補助制度を設けている場合もあります。
地盤の強さは住宅の耐震性に関係しますか?
地盤の状態は、住宅の耐震性に大きく関係します。軟弱な地盤では、建物が傾く不同沈下や液状化などが発生する可能性があります。建築前に地盤調査を行い、必要に応じて地盤改良や適切な基礎設計を実施しましょう。
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