注文住宅を検討する際は、「今の暮らし」の充実だけでなく「老後の暮らしやすさ」も考慮することが大切です。老後は家で過ごす時間が長くなりますし、誰もが体のあちこちに衰えを感じるようになります。もしかしたら車椅子の生活になるかもしれません。
ライフサイクルに合わせて住み替えるのもひとつの方法ですが、せっかく貴重な時間とお金を費やして建てる理想の注文住宅です。建てる時点で将来を見据え、老後も過ごしやすい間取りを考えておくと後悔が少ないでしょう。
そこでこの記事では、老後も含めて長く住み続けられる間取りを考えるポイントを紹介します。
<本記事はこんな人におすすめ>
・老後の生活はどう変わる?ライフスタイルをイメージしマイホームを検討したい方
・老後を考えた間取りは?老後まで安心して暮らせる2階建てにしたい方
・老後は平屋にするべき?2階建てを建てたいが老後まで使用できるか心配な方
<本記事でわかること>
・老後は、足腰が弱り転倒のリスクがあるほか、子ども部屋が空き部屋になり物置きになりやすい
・老後を考えて2階建てを建てるには、1階で生活が完結できるようにするのが安心
・平屋でなくても、階段の勾配をゆるやかにしたり、1階に居室を設けたりすれば十分2階建てでも快適に長く住むことができる
老後のライフスタイルはどう変わる?

老後のライフスタイルは、今までと体調面が大きく異なります。家でも階段の上り下りはつらくなり、ちょっとした段差につまずいてヒヤッとすることが増えていきます。洗濯ものを干すために2階に上がることや庭の手入れ、布団の上げ下ろしなど、これまで難なくできたことが億劫になるかもしれません。
高齢の転倒は、大ケガになることもあり、骨折で入院などになることもあります。
また、子育てがひと段落し、部屋が余ってしまうこともあるでしょう。そのままにしていれば、空き部屋が物置部屋になってしまうケースも少なくありません。
子育て世代で建てた家は、老後になると住みにくい家になる可能性もあるでしょう。
介護しやすい間取りの平屋|将来の不安を安心に変える設計ポイントと成功実例を紹介について詳しくはこちら
老後を考えた2階建ての間取りのポイント

では、住み慣れたマイホームで老後も快適に過ごすには、どのような点に注意したらよいでしょうか?ここでは、2階建て注文住宅を建てる際に押さえておきたい6つのポイントを紹介します。
間取りは「改装」を前提に考える
ライフスタイルの変化に応じて、家の住み心地も変わります。将来的には「リフォーム」することを前提として、家づくりを考えることが大切です。老後の生活を想像して間取りを考えたとしても、実際にそのときになったら不便を感じるかもしれません。そのため、間取り変更のしやすい構造・工法を選ぶのがおすすめです。
建物の工法には、骨組みで建物を支えるタイプと、壁で支えるタイプの2種類があります。前者に該当するのは日本伝統の「木造軸組工法」、軽量鉄骨造の「ブレース構造」、鉄骨造や鉄筋コンクリート造などの「ラーメン構造」です。後者の代表的なものには「木造2×4(ツーバイフォー)工法」があげられます。
上記のうち、間取り変更の自由度がもっとも高いのはラーメン構造です。ラーメン(Rahmen)とは、ドイツ語で枠や額縁を意味します。鋼材で骨組みを作り、接合部を溶接で一体化することで、強度の高い建物に仕上がります。そのため、部屋の間仕切り壁を撤去して広い空間にすることも可能です。
木造軸組工法やブレース構造では、骨組みの対角線上に補強材(筋交い)を入れて建物の強度を高めています。筋交いが入った壁は撤去が難しいため、間取り変更には制限が生じます。なお、2×4などの壁式工法では基本的に間仕切り壁の撤去ができません。建物の強度に影響するためです。
バリアフリーにする
老後の生活を考えて、設計時からバリアフリーを意識することも大切です。室内に段差が少なければ高齢者はもちろん、子どもの転倒事故も予防できます。その他にも次のような工夫をしておくことをおすすめします。
・車椅子でも通れるよう廊下の幅を広めに確保する
・廊下やトイレなど手すりを設置する部分の壁下地を補強しておく
・滑りにくい床材を選ぶ
バリアフリー住宅を建てたい!快適に暮らせる家づくりのポイントを解説について詳しくはこちら
階段をゆるやかにする
階段は転落・転倒事故の危険性が高い場所です。老後も不安なく上り下りができるよう、なるべく勾配がゆるやかになるよう計画することが大切です。なお、建築基準法とバリアフリー法、それぞれの階段の基準は以下のとおりとなっています。
| 建築基準法 | バリアフリー法 | |
| 幅 | 75cm以上 | 140cm以上 |
| 踏面(ふみづら) | 21cm以上 | 30cm以上 |
| 蹴上(けあげ) | 22cm以下 | 16cm以下 |
建築基準法の最小サイズで階段をつくると、実は約57度という急勾配になります。一方、バリアフリー法の基準は約28度で、ゆるやかで安全性が高いことがわかります。幅をたっぷりとるのは、踊り場を除く両方の壁に手すりを付けるためです。滑りにくい階段材を使用すれば、さらに安心です。
2階リビングは老後が大変?長く住める家づくり対策を紹介について詳しくはこちら
ドアは引き戸にする
玄関や室内のドアは、開き戸ではなく引き戸がおすすめです。開き戸は開閉のたびに体を後退させなくてはなりません。健康なときには何でもない動作ですが、足腰が弱ると負担に感じがちです。ドアを開くスペースが必要になるため、車椅子移動ではかなり不便に感じるでしょう。
その点、引き戸はドアを開くときのスペースをとらないため、部屋が広く使えます。開閉時の動作が小さくて済み、力が弱い人も扱いやすいというメリットもあります。
なお、引き違いタイプでは広い開口部が、引き込みタイプでは壁側にドアを引き込むスペースが必要です。できれば最初から引き戸を選ぶのがおすすめですが、引き戸に変更できるような間取りにしておけばリフォームもスムーズでしょう。
リビングの隣に居室を設ける
高齢になると階段の上り下りが苦になるため、1階で生活することが多くなります。寝室を2階から1階に移せるよう、リビングの隣にフリーの居室を設けておきましょう。寝室を移動する前は客間、子どもの遊び場、趣味を楽しむ部屋などに使えるので、無駄なスペースにはなりません。
またトイレの回数が増えるため、リビングの近くにトイレを配置することも重要です。老後の生活動線がコンパクトにまとまります。人が集まるリビング近くに部屋があれば、仮に寝たきりになったとしても介護者とのコミュニケーションが取りやすく、お互いの負担を軽減できるでしょう。
トイレを2階にも設置する
老後は夜間頻尿が増える傾向にあるため、寝室が2階の場合はトイレを上下階で設置しましょう。トイレが1階にしかない場合、暗い中での階段の上り下りは足腰の負担になるだけでなく、転倒のリスクも高まり大変危険です。
1階・2階の両方にトイレがあれば、寝室の近くですぐに用を足せるため安心感が変わります。
「老後は平屋」とは限らない!間取り次第で2階建てでも快適
老後は平屋がいいと言われがちですが、間取り次第で2階建ても十分に快適です。1階に寝室や水回りを集めれば階段を使わずにワンフロア感覚で暮らせるほか、2階は子ども世帯の帰省用や収納として有効活用できます。
さらに2階建てには、狭い土地でも広さを確保できるため便利な立地を選びやすいこと、建築費や土地の固定資産税を抑えられること、万が一の水害時に上へ避難できるといったメリットもあります。
老後の安心を考えつつ、予算や土地の条件に合わせて2階建てを検討しましょう。
2階建てでも大丈夫!安心できる間取り
ここからは、老後も住みやすい2階建ての間取りとはどのようなものか、具体例を2つ紹介します。
【33.3坪】コンパクトな動線で生活が楽な2階建て
延床面積は109.93㎡(33.3坪)、2階建て4LDKの家です。玄関からリビングへの入り口や、トイレ・洗面所のドアが引き戸のため、開閉に無駄にスペースをとりません。また、1階のトイレは階段下のデッドスペースを有効活用しています。リビングの隣に4.5畳の和室を配置。将来的には寝室にすることも可能です。
2階の子ども部屋は、間仕切り壁を撤去すれば約10畳の広い部屋になります。将来子どもが巣立った後にリフォームしやすいでしょう。
【33.3坪】コンパクトな動線で生活が楽な2階建ての間取り実例を見る
【36.3坪】可変性のある子ども部屋のある2階建て
約20畳の広々としたLDKで開放感をたっぷり味わえる、2階建て5LDKタイプの家です。リビングの近く、階段の横に5.7畳の和室を配置しています。和室には階段下のデッドスペースを利用した大容量の収納があるため、スッキリと片付いた状態が保てるでしょう。
3つある子ども部屋のうち、2つは可変性のある2in1ルーム設計となっています。可動式間仕切りで部屋を仕切れるため、子どもの成長に合わせて部屋を分け、独立後はワンルームとして使用することも可能。リフォーム不要で間取りを変えられる使い勝手の良さが魅力です。
【36.3坪】可変性のある子ども部屋のある2階建ての間取り実例を見る
老後でも安心して暮らせる2階建ての建築実例
ここからは、トヨタホームが手がけた老後でも安心して暮らせる2階建ての建築実例を紹介します。
周りの目を気にせず安心!快適に暮らせる住まい

老後の暮らしを考え、1階で完結できる間取りにした建築実例です。リビングの横には寝室を構え、1階で完結できます。また寝室にはウォークインクローゼットとトイレを設置しました。来客用のトイレもあるため、気にせずに使用できます。
リビングや浴室、寝室は中庭に面しており、お孫さまが来たときにはプールやバーベキューなどで楽しめる点も魅力です。
周りの目を気にせず安心・快適に暮らせる住まいの建築実例を見る
ゆるやかな階段がある2階建てのお住まい

これから年齢を重ねても負担ができるだけ軽くなるようにと「超緩勾配階段」を採用した2階建てのお住まいです。「超緩勾配階段」とはお子様からご高齢の方まで全世代に配慮した、踏み板の高さが低くゆるやかな傾斜の階段を指します。
またリビング横には和室の応接室も設けています。現在は応接室として使用していますが、将来は寝室にすることも可能です。
トヨタホームなら独自の鉄骨ラーメン構造で老後の暮らしも快適に!
注文住宅を建てる際は、高齢になっても快適な暮らしを実現できるよう、老後の生活についてしっかり考えておくことが大切です。家族構成の変化や身体面の衰えなどを想定して、改装を視野に入れて計画するとよいでしょう。
先述のとおり、間取り変更にもっとも適しているのは「ラーメン構造」です。主に高層ビルに用いられる構造で、鉄の持ち味であるしなやかな粘り強さが高い耐震性を発揮します。リフォームやリノベーションの制約が少なく、大きな窓や吹き抜けで開放感たっぷりの大空間が実現できます。
クルマづくりで鉄を知り尽くしたトヨタホームでは、業界トップクラス125mm角の鉄骨を使用した「シンセシリーズ」を提供しています。耐震性・耐久性に優れ、ライフスタイルに合わせて改装しやすい注文住宅です。お近くのトヨタホームまで、ぜひお気軽にご相談ください。
【全国のトヨタホーム展示場を探す】
https://www.toyotahome.co.jp/s/tenjijo/?ad_cd=hometag
【カタログ請求はこちら】
https://www.toyotahome.co.jp/s/catalog/?ad_cd=hometag
老後を考えた2階建ての間取りに関するよくある質問
老後を考えるなら、2階建てより平屋の方がよいですか?
老後の暮らしやすさを考えると、ワンフロアで生活が完結する平屋は便利です。ただし、土地の広さや建築費、家族構成によっては2階建ての方が現実的な場合もあります。2階建てでも、1階に寝室・水回り・収納をまとめることで、将来的に1階中心の生活がしやすくなります。
2階建てでも老後に暮らしやすくできますか?
2階建てでも、間取りの工夫によって老後も暮らしやすい住まいにできます。たとえば、1階に主寝室を設ける、トイレを寝室の近くに配置する、段差を少なくする、廊下や出入口を広めにするなどの工夫が有効です。2階は子ども部屋や来客用の部屋として使い、将来は使用頻度を下げる設計も考えられます。
老後を考える場合、寝室は1階にした方がよいですか?
老後を見据えるなら、寝室は1階に設けるのがおすすめです。階段の上り下りが少なくなり、トイレや浴室への移動もスムーズになります。若いうちは2階を寝室として使いたい場合でも、将来的に1階の和室や個室を寝室に変更できるようにしておくと安心です。
老後を考えた2階建てに必要な収納は何ですか?
老後を考えた2階建てでは、1階に十分な収納を確保することが大切です。日用品、衣類、掃除道具、介護用品などを1階に収納できると、2階へ取りに行く負担を減らせます。特に寝室まわりのクローゼット、玄関収納、洗面脱衣室の収納、リビング収納を計画しておくと暮らしやすくなります。
老後を考えた間取りで水回りはどこに配置すべきですか?
老後を考える場合、水回りは1階にまとめるのがおすすめです。浴室、洗面所、トイレ、ランドリースペースを近くに配置すると、家事動線や生活動線が短くなります。特に夜間のトイレ移動を考えると、寝室の近くにトイレを設けておくと安心です。
老後を考えるなら、バリアフリー設計は必要ですか?
老後を見据えるなら、完全なバリアフリーでなくても、将来対応しやすい設計にしておくことが大切です。段差を少なくする、引き戸を採用する、廊下や出入口を広めにする、手すりを後付けしやすい下地を入れるなどの工夫があります。早い段階で備えておくことで、将来のリフォーム負担を抑えやすくなります。
▼関連する記事
【注文住宅】3~4人家族に最適な3LDKの間取りとは?実例も紹介
【30坪台・おすすめ&人気の間取り図あり】一軒家の間取りはどう決めるの?
【2階建て注文住宅】老後を考えた間取りとは?快適な住まいを手に入れる方法も
家を建てるなら2階建てと平屋どっちがいい?暮らしやすさやメリットを比較!
【間取り図あり】2階建て注文住宅、人気の間取りプランは?おしゃれな間取りアイデアも紹介
2階リビングで後悔しやすいポイントとは?メリット・デメリットも合わせて解説
2階リビングにおしゃれなバルコニーを設置しよう!活用アイデアも紹介
【注文住宅】2階リビングが人気!メリット・デメリットまとめ、解消方法も解説
【注文住宅】2階リビングの間取り実例!一緒に取り入れたい間取りアイデアも紹介
2階建て注文住宅、4LDKの人気間取りプランを紹介!注意点も
【注文住宅】3LDK・2階建ての間取り図!人気のプランをまとめて紹介
子ども3人の5人家族に最適な間取りとは?快適な一軒家の広さも解説
3人家族に最適な一軒家の間取りは?広さや間取りアイデアを紹介
30坪2階建てはちょうどいい!実例から上手な間取りづくりのポイントも紹介
【注文住宅】中庭のある家の間取りプラン!2階建て・30坪~40坪台の建築実例も紹介





















