テレワークやリモートワークの普及などによる「おうち時間」の増加に伴い、ガレージと住宅が一体化した「ガレージハウス」を建てる人が増えています。ガレージハウスは、単にクルマを停めるだけのスペースではありません。趣味を楽しむ場や子どもの遊び場として、またワークスペースとしても活用できます。
そこでこの記事では、2階建てガレージハウスを建てたい人向けに、ガレージハウスのメリット・デメリットや建築費用の目安などについて紹介します。おすすめの間取りなども合わせて紹介していますので、ガレージハウスを建てる際の参考にしてください。
ガレージハウスとは?

1階部分にインナーガレージを組み込んだ家を「ガレージハウス」といいます。そして、住宅内に組み込まれた駐車場のことを「インナーガレージ」または「ビルトインガレージ」と呼びます。
比較的土地代が安い地方などのエリアでは車庫を単体で建築することも多いのですが、都心部では土地代が高く、車庫分の土地の確保が難しいことがあります。そのため、住宅内にガレージを組み込んで、2階以上を主な居住空間とするガレージハウスを建てるケースも少なくありません。
2階建てのガレージハウスを建てる費用相場はいくら?
住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査」や建築統計をもとにすると、2階建てガレージハウスの建築費用相場は3,500〜4,800万円前後です。
構造別の坪単価目安は以下の通りです。
| 構造 | 坪単価の目安 | 備考 |
| 木造(在来工法) | 約110〜150万円/坪 | コスパ重視・断熱性◎ |
| 鉄骨造 | 約130〜180万円/坪 | 大開口ガレージ向き |
| RC造(鉄筋コンクリート) | 約160〜220万円/坪 | 高耐久・高級仕様 |
ビルトインガレージを設けることで、通常の2階建て住宅よりも+200〜500万円程度コストが上がる傾向があります。
参照:住宅金融支援機構「2024年度フラット35利用者調査」
ガレージハウスのメリット

では、さっそくガレージハウスを建てるメリットをひとつずつ見ていきましょう。
雨の日など天候の悪い時でも濡れずに移動できる
ガレージハウスの最大のメリットは、雨などの天候に関係なくスムーズに家とクルマの間を移動できることです。たくさん買い物をして荷物が多く両手がふさがっている場合でも、傘を差す必要がなく、雨に濡れる心配もありません。
傘を差す必要がないため、片手では難しい赤ちゃんをチャイルドシートに乗せるときや、車いすの方がお出かけするときも楽ちんです。
生活動線がコンパクトにまとまる
ガレージハウスは、生活動線がコンパクトにまとまる点も魅力です。例えばインナーガレージとキッチンの入り口をつなげておけば、玄関を経由することなく買い物した食材を直接キッチンに運び入れることができ、余計な手間や時間がかかりません。
またパントリーを作っておき、インナーガレージと行き来できるように動線を確保しておけば、荷物を整理したり運搬したりする手間が省けて効率的です。このように、インナーガレージがあれば自分たちにとって便利な動線を作りやすく、さまざまな間取りを取り入れやすくなります。
家族で活用できる
ガレージ部分は、単にクルマを停めるだけのスペースではありません。さまざまな用途に、広く柔軟に活用できる点も大きな魅力です。DIYや自転車のメンテナンスなど趣味の作業スペースとしてはもちろん、庭のように縄跳びやプール遊びなどもできる子どもの遊び場としても活躍するでしょう。またクルマが停められるほどの広いスペースを持つため、BBQをはじめ、パーティーなど大勢の人が集まる場として利用するにも最適です。
収納スペースを確保できれば、アウトドア用品やガーデニング用品、冬用タイヤなど、自宅になかなか保管しにくい大型でかさばるアイテムの保管場所としても利用できます。このようにガレージは用途に合わせて家族全員でさまざまな使い方ができるので、家族にとっても重宝するでしょう。
ガレージハウスのデメリット
ガレージハウスはいろいろと活用できて便利な一方、デメリットもあります。建ててから後悔しないためにも、事前にどのようなデメリットがあるのかしっかり確認しておきましょう。
居住スペースを削る必要がある
インナーガレージを作るためには、クルマ1台分なら約5坪、2台分なら約10坪のスペースが必要です。そのためその分、他の居住スペースを削らなくてはなりません。例えば、4人家族で3LDKの2階建てガレージハウスを建てる場合、各居室や収納スペースを少しずつ小さくするなどして、インナーガレージのスペースを確保する必要があります。
しかし、生活に必要なスペースを削ると、現在問題がなくても将来的にライフスタイルの変化に伴い不便さを感じるかもしれません。一方で、インナーガレージのスペースを狭くすると、クルマの出し入れが不自由で使い勝手の悪いものになってしまいます。そのため、ガレージハウスを建てる時には、居住スペースとインナーガレージのスペースのバランスを考えることが大切です。
そこで知っておきたいのが、容積率の緩和措置です。「ビルトインガレージの床面積が、建物の延べ床面積の5分の1より小さい場合は延べ床面積に含まない」という内容です。ビルトインガレージ設置により居住スペースが狭くなることを防げる可能性があるので、検討してみるとよいでしょう。
建築費用が高額になるケースも
インナーガレージはクルマを出し入れするために、ある程度開口部の大きさが必要になります。そのためガレージハウスは、建物の強度をしっかりと保つ必要があります。設計には高度な構造計算や工法が求められるのはもちろん、木造よりも強度が高い鉄骨やコンクリートを使用することが多いことから、費用が高額になることも少なくありません。あらかじめ予算計画を立てた上でハウスメーカーなどと相談しましょう。
【2階建て】ガレージハウスおすすめの間取り
実際に2階建てガレージハウスを建てる場合、どのような間取りを取り入れたらよいのでしょうか。ここからは、具体的なおすすめの間取りを紹介します。
併せて、平屋や3階建てのビルトインガレージの間取り例の記事もご覧ください。
【注文住宅】3階建てのビルトインガレージにするメリット・デメリットは?
【33.2坪】コンパクトな間口のインナーガレージを設置した2階建て
こちらは延べ床面積109.64m2(33.2坪)の3LDKタイプの住宅です。接道の方角が南向きのため、南側に玄関とクルマ1台分のインナーガレージを配置し、建物間口はコンパクトな仕上がりとなっています。1階にLDKと水回りを、2階には主寝室と子ども部屋を2つ配置し、LDKには吹き抜けも設けているため広々とした開放感もあります。
30坪台ですが、インナーガレージと吹き抜けを設けてもゆとりを感じられる工夫を施した間取りです。
【33.2坪】コンパクトな間口のインナーガレージを設置した2階建ての詳細はこちら
【38.3坪】2台並列できるインナーガレージを確保した2階建て
こちらは延べ床面積126.57m2(38.3坪)の3LDKタイプの住宅です。北側に玄関とクルマ2台分のインナーガレージを確保し、その隣にはガレージを眺めることができる窓を設けたLDKを配置しました。
2階には主寝室と子ども部屋2つと水回りを配置しています。クルマ好きの家族がいる4人家族におすすめの間取りです。
【38.3坪】2台並列できるインナーガレージを確保した2階建ての詳細はこちら
【2階建て】ガレージハウスおすすめの建築実例
ここでは、2階建てのおすすめガレージハウス実例を紹介します。
大切な家族と車を守る、中庭とインナーガレージのある2階建て

こちらの2階建てガレージハウス実例では、インナーガレージを趣味兼作業スペースとして活用。車やバイクの整備だけでなく、趣味の道具も一括収納できる設計です。床材には水洗い対応の素材を採用し、作業性と清掃性に配慮。さらに、リビングからガレージをガラス越しに見える配置にして、家族の気配を感じながら趣味と暮らしが融合する住まいを実現しています。
大切な家族と車を守る、中庭とインナーガレージのある2階建ての建築実例を見る
インナーガレージで、外観と外構をトータルデザインした2階建て

こちらの2階建てガレージハウス実例では、インナーガレージを前提に敷地全体をデザインした邸宅です。3階まで貫く大きな吹抜けが空と光を立体的に取り込み、ガレージ天井を吹抜けと連続させることで開放感を演出。ピロティ風ガレージにより庭側への視界を確保しつつ、タイル貼りのスクエアな外観が洗練された印象を与えます。
インナーガレージで、外観と外構をトータルデザインした2階建ての建築実例を見る
家の中から車を愛でることができるインナーガレージの2階建て

こちらの2階建てガレージハウス実例では、「愛車を眺める暮らし」を叶えた2階建てガレージハウスです。インナーガレージはリビングや和室からガラス越しに見える配置とし、照明演出や電動工具用のコンセント配置にもこだわっています。吹き抜けのある大空間LDKとホテルライクな寝室、和室も併設し、こだわりを詰め込んだスタイリッシュな住まいとなりました。
家の中から車を愛でることができるインナーガレージの2階建ての建築実例を見る
ガレージハウスを建てる際の注意点

ガレージハウスを建てる際はエンジン音など周辺への騒音の対策や、排気ガスの充満などのガレージ内の換気対策を行わなければなりません。特にガレージにシャッターを設置しようと考えている場合、シャッター音は思いのほか周囲に響きやすいため、深夜や早朝にクルマの出入りがある人は十分な注意が必要です。
将来的にクルマを買い替える場合、ライフスタイルや環境の変化に合わせて現在使用しているものよりも大きいクルマを選ぶこともあるでしょう。ガレージのサイズが合わずに欲しいクルマを諦めるようなことがないように、先々のことも考えて設計するようにしましょう。
トヨタホームでインナーガレージ中心のこだわりの住まいを手に入れよう
インナーガレージがあれば、部屋にいながらお気に入りの愛車を眺めることができるなど、愛車とともに住まいを楽しむ生活が手に入ります。その上、スノーボードや自転車などのかさばる大型アイテムを収納するスペースも確保できるため、クルマ好きの家族だけでなくアウトドアが趣味の家族にもおすすめです。
トヨタホームのインナーガレージは並列の駐車スペースを確保でき、クルマの出し入れにストレスがありません。また中心の柱や耐震壁が不要で間口が広く、耐震性にも優れた鉄骨ラーメン構造を使用しているため、丈夫ながらゆとりのあるガレージが実現できます。トヨタホームのガレージハウスに興味がある方は、まずはカタログ請求をするのがおすすめです。そして、愛車とともに暮らす住まいのイメージを具体的に描いてみてはいかがでしょうか。
※耐震性に関する情報は2022年9月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
【全国のトヨタホーム展示場を探す】
https://www.toyotahome.co.jp/s/tenjijo/?ad_cd=hometag
【カタログ請求はこちら】
https://www.toyotahome.co.jp/s/catalog/?ad_cd=hometag
トヨタホームのビルトイン/インナーガレージの建築実例はこちら
2階建てのガレージハウスに関するよくある質問
ガレージ部分の広さはどれくらい必要?
1台あたりの駐車に必要な目安は以下の通りです。
普通車1台:幅約2.5m-3.0m×奥行5.0m-5.5m(約3.8坪-5.0坪)
2台並列:幅約5.0m-6.0m×奥行約5.0-6.0m(約7.6坪-10.9坪)
バイクや自転車スペースを含む:約10〜12坪前後
ガレージ兼倉庫としても使う場合は、1台あたり約6坪を確保すると使いやすく、住宅全体では延床35〜45坪が平均的です。
ビルトインガレージをつくると固定資産税は高くなりますか?
ビルトインガレージのうち、居住部分と一体化したスペースは建物面積に含まれ、
固定資産税の課税対象になります。一方、屋外の独立したカーポートや簡易ガレージは非課税の場合もあります。課税対象になるかは、構造が「屋根+三方壁付き」かどうかで判断されます。
2階建てガレージハウスで間取りを工夫するポイントは?
1階:ガレージ+玄関+収納(シューズクローク)
2階:LDK+水回り+寝室・子ども部屋
さらに以下の工夫をすると快適になります。
・ガレージ直通の玄関や階段を設ける
・ガレージとLDKを吹き抜けや窓でつなげる
・インナーガレージを趣味スペース兼用にする
狭小地では「縦列駐車+L字型間取り」が人気です。
ガレージ部分はどんな設備を入れておくと便利?
・換気扇または換気窓(排気ガス対策)
・防滑性のある床材(モルタル・タイルなど)
・防湿断熱処理(床下結露防止)
・コンセント・EV充電用電源
・スポットライトやダウンライト照明
メンテナンス+趣味空間として使うなら、洗面・シンク・収納棚を設けると快適度が大幅に上がります。
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