ビルトインガレージの間取りで失敗しない！注文住宅で考えるべき7つのポイント

注文住宅を検討する際に、クルマ・バイク好きの方なら「ビルトインガレージ付きにしたい！」と思った人もいるかもしれません。趣味のスペースとしても活用できるので、最近はビルトインガレージ付きの注文住宅を検討している家庭も多いでしょう。

しかし、ビルトインガレージ付きの注文住宅を建てる際には「間取り」についてしっかり考えておかないと後悔するケースもあります。そこでこの記事では、ビルトインガレージ付きの注文住宅を建てる前に知っておきたい間取りについて解説します。

index

ビルトインガレージを設計する際に押さえておきたい7つのポイント
ビルトインガレージを作るのに必要な面積の目安は？
- 全延床面積の5分の1以内であれば容積率の緩和措置適用も
ビルトインガレージの費用目安
【坪数別】ビルトインガレージの間取り例
ビルトインガレージの間取り決めで困ったら、施工実績が多数のトヨタホームに相談しよう
ビルトインガレージの間取りに関するよくある質問

ビルトインガレージを設計する際に押さえておきたい7つのポイント

“使いやすい”ビルトインガレージを作るために知っておきたいこと

使いやすいビルトインガレージ付きの注文住宅を建てる場合、どんな点に注意して間取りを決めるとよいのでしょうか。主なポイントを7つ紹介します。

シャッターの開閉音に配慮する

ビルトインガレージで使うシャッターは、手動タイプよりも音が静かな電動タイプが主流です。とはいえ、開閉音がうるさくご近所トラブルになるケースも少なくありません。音が気になる、気にならないといった感覚は個人差があるものの、深夜に帰宅した際や早朝に出かけるときに、周囲への配慮を怠ると、ご近所からクレームが来ることもあります。

特に夏場は窓を開けて寝る人も多いため、閑静な住宅街や住宅密集地では注意が必要です。また、シャッターの開閉音が部屋の中に響いてしまい、気になるという人もいます。周囲の家屋へ及ぼす影響を最小限に抑えつつ、自宅内の間取りはビルトインガレージと寝室や子ども部屋と遠ざけるのが無難でしょう。

車のエンジン音やアイドリング音に注意する

ビルトインガレージがあれば、いつでも家の中で愛車メンテナンスができます。しかし、エンジン音やアイドリング音が家中に響くのは困りもの。駐車場として使うだけなら過度な対策は必要ないかもしれませんが、深夜・早朝に出入りすると音が気になる人も多いでしょう。

しっかり対策を講じないと、エンジン音などが外に漏れて近隣トラブルになることもあるため、防音や遮音対策はできるだけ建てる前に検討しておくのがおすすめです。また、シャッターの開閉音対策と同様に、自宅の寝室と子ども部屋はガレージと離しましょう。対策の範囲について悩む場合は、ハウスメーカーと相談して決めるのがよいでしょう。

排気ガスや換気対策で快適性を高める

ビルトインガレージは「密閉空間＋エンジン稼働」という構造上、排気ガス対策が不可欠です。なかでも一酸化炭素（CO）は無色無臭で気づきにくく、知らないうちに健康被害や重大事故を招くリスクがあります。そのため、設計段階からしっかりと換気計画を立てることが重要です。

具体的な対策として、車両後方に換気扇や排気ダクトを設けてガレージ内の空気を外部へ排出し、反対側から新鮮な空気を取り込む流れをつくることが挙げられます。自然換気（窓・通風口）に加えて、24時間換気や専用換気扇といった機械換気を併用することで、より安全性が高まります。

また、室内への臭気やガスの侵入を防ぐため、ガレージと居住空間の間に土間収納などの緩衝スペースを設けたり、気密性の高いドアを採用したりするのも有効です。CO検知器の設置や、エンジン始動時に自動で換気が作動するシステムを導入すれば、万が一のトラブルも起こりにくくなります。

ビルトインガレージからの動線効率を意識する

ビルトインガレージのメリットは、荷物の量や大きさにかかわらず家の中まで運ぶ距離が短くて済むことです。だからこそ、ビルトインガレージから続く動線をしっかり追求しておかないと、住み始めてから無駄な動きの多さに気付くケースもありえます。

たとえば、3階建てで1階部分にビルトインガレージ、3階にリビングダイニングを設置すると縦の移動距離が長くなってしまいます。また、平屋建てでビルトインガレージからリビングダイニングまで横の移動距離が長いと、効率的な動線とはいえません。快適な住環境にするためにも、動線を十分意識して間取りを考えましょう。

採光・通風を工夫して暗さを解消する

ビルトインガレージは建物の一部に駐車スペースを組み込む構造のため、どうしても隣接する部屋が暗くなったり、風が通りにくくなったりします。室内の閉塞感をなくして快適に暮らすには、設計段階から採光と通風の工夫が欠かせません。

たとえば、高窓やスリット窓の採用により、プライバシーを保ちながらも自然光を取り込めます。ガレージに面した部屋の明るさを確保するには、中庭や吹き抜けの採用も効果的です。ドアや間仕切りにガラス素材を使ったり、壁や床を明るい色で仕上げたりすると、室内全体の暗さを解消できるでしょう。

通風面では、空気の流れをつくるために対面する位置に窓を配置する、あるいは換気窓や通気口を取り入れるとよいでしょう。加えて、ガレージの壁に遮熱性のある素材を採用すれば、夏場の熱気対策にもつながり、より快適な空間になります。

防犯性を高める設計にする

ビルトインガレージは住居と直結しているため、利便性が高い一方で「侵入経路になりやすい」というリスクもあります。ガレージ内に屋内へと続く出入口があれば便利ですが、リビングや寝室につながる間取りにすると、侵入時の危険性が高まります。そのため、ガレージからの侵入リスクに着目した設計が欠かせません。

まず、ガレージと居室の間に、廊下や収納スペースなどのワンクッションを挟む設計を検討しましょう。緩衝帯があれば、侵入者と鉢合わせて身体に危険が及ぶリスクを軽減できます。防犯性を高める観点では、シャッターは電動タイプでロック機能付き、窓は割れにくい防犯ガラスや面格子付きにするのが効果的です。

そもそも、シャッター前や勝手口などの外部から見えにくい箇所は侵入口になりやすく、敷地内の死角を減らす工夫も欠かせません。視界が遮られやすい場所には、人感センサーライトや防犯カメラを設置すると効果的です。

将来を見据え用途変更の余地を設ける

ビルトインガレージは、単なる駐車スペースにとどまらず、ライフスタイルの変化に合わせて多用途に使える柔軟性の高い空間です。たとえば、DIYや自転車・バイクの整備といった趣味のスペース、アウトドア用品や季節物をしまう収納スペースとしても活用できます。

こうした用途変更に対応しやすくするためには、設計段階で「余白」を残すことが重要です。十分な天井高や自然光が入る窓の配置、通風を確保する換気口など、快適な室内環境を意識した設計にしておくと、将来のリフォームが容易になります。

また、電源や照明の位置をあらかじめ考慮しておけば、用途が変わっても配線工事などの追加負担が減り、スムーズな転用が可能です。将来的に居室として使用する可能性があるなら、断熱材の施工や複層ガラスの採用など、快適性を確保できる仕様を検討しましょう。

ビルトインガレージを作るのに必要な面積の目安は？

ビルトインガレージを設計する際は、車種や使い方に応じて必要な面積をしっかり確保することが大切です。一般的に車1台分のスペースには、間口3.0〜3.5m、奥行き5.5〜6.5m程度が必要で、坪数に換算するとおよそ4〜5坪が目安です。

軽自動車やコンパクトカーであればやや小さめのスペースでも対応できますが、大型SUVやミニバンの場合は、奥行きが6.5m以上あるとゆとりをもって駐車できます。

また、ガレージ内に自転車・バイク・アウトドア用品などを収納したい場合は、＋1〜2坪のスペースを確保すると安心です。さらに、工具を使ったメンテナンスや趣味の作業を行うなら、作業スペースや収納棚を置くスペースも考慮しておく必要があります。

「車が入れば十分」と考えてしまうと、後から狭さを感じたり、収納が足りなくなったりするケースもあります。将来の使い方まで見据えて、余裕をもった設計を心がけましょう。

固定資産税につきまして、詳しくはこちらをご覧ください。

また、建築費につきまして、詳しくはこちらをご覧ください。

全延床面積の5分の1以内であれば容積率の緩和措置適用も

ビルトインガレージの必要な面積の目安が分かったところで、もう1つ知っておきたいのが固定資産税の緩和措置についてです。

ビルトインガレージは、全延床面積の5分の1以内に収めると容積率の計算対象に含めなくてよいという緩和措置が受けられます。たとえば、全延床面積が約50坪の家屋に、10坪の車2台分のビルトインガレージを作る場合、ガレージ部分は容積率の対象にはなりません。ビルトインガレージの広さを考える際には、こうした緩和措置もしっかり把握しておきましょう。

なお、防火地域や準防火地域に建てる場合は、ガレージ部分にも耐火性能の高い構造が求められるケースがあります。設計の初期段階で地域の法的条件を確認し、必要な仕様や工法を把握しておくことが大切です。

ビルトインガレージの費用目安

ビルトインガレージの費用は、構造・広さ・設備などによって大きく変わります。ここでは、本体工事やシャッター、換気設備などの主要なコストについて、費用の目安と抑える工夫を解説します。

建築コストの内訳（本体＋シャッター＋換気設備など）

ビルトインガレージの建築コストは、約150万円～500万円程度が目安です。実際にどのような工事が発生し、どの程度の費用がかかるのか見ていきましょう。

・本体工事費

ガレージの床・壁・天井を施工するための費用です。鉄骨構造であれば、強度を保ちながら開放感のある大開口も実現できます。

・シャッター費用

電動シャッターが主流で、サイズが大きくなるほど価格が上昇します。防犯性能の高いものを選ぶと安心ですが、その分コストも加算されます。

・換気・採光設備

排気ガスや湿気の滞留を防ぐための換気扇、通風口、採光用の窓などの設置が必須です。

・断熱・防火仕様

準防火地域では、外壁や天井などに防火性能をもつ素材を使用する必要があり、追加費用が発生する可能性があります。

これらの項目を踏まえた費用の目安は以下の通りです。

【駐車台数別・坪数別の費用目安】

・1台用（約4〜5坪）：150〜300万円前後

・2台用（約8〜10坪）：300〜500万円前後

・3台以上や大型車対応：500万円以上になることも

なお、ガレージの建築費用は、木造・鉄骨などの構造形式や建材のグレード、地域の建築基準によっても異なります。電動シャッターや高性能換気システム、防火仕様をどこまで取り入れるかでも、総額は変動することを理解しておきましょう。

維持費・メンテナンス費用も見据える

建築費だけでなく、維持コストも長期的に考慮する必要があります。電動シャッターの寿命はおよそ10〜20年で、経年劣化に伴い修理・交換費が発生します。

換気扇やセンサー類も、5〜10年程度での点検・交換が必要です。24時間換気を導入している場合は、フィルターやファンの清掃・交換サイクルを把握しておきましょう。

また、シャッターまわりの防水や外壁塗装も定期的なメンテナンスが求められます。

長期的な視点でメンテナンス計画を立てることが、安心して使い続けるポイントです。

建築コストを抑える工夫

ビルトインガレージの建築コストを抑えるには、生活動線を優先し、必要最小限の広さに抑えるのが有効です。また、建物は凹凸を減らしたシンプルな形状ほどコストを抑えやすいうえ、構造が安定しやすいため工期の短縮にもつながります。

さらに、耐久性の高い電動シャッターやLED照明、メンテナンス性の高い建材を選ぶことで、将来的に必要となるランニングコストを抑えられます。また、容積率の緩和措置を活用すれば延床面積に算入されず、結果的に固定資産税の軽減が期待できるでしょう。

最後に、施工会社選びも重要です。複数社に見積もりを依頼し、金額だけでなく施工実績や提案力も比較しましょう。ビルトインガレージの建築実績が豊富なハウスメーカーであれば、コストを抑えつつ満足度の高い仕上がりが期待できます。

【坪数別】ビルトインガレージの間取り例

ビルトインガレージの間取りは、どのくらいの広さの敷地に建てるかで変わります。そこで、敷地の坪数別にどんな間取りが作れるのかを紹介します。

なお、トヨタホームのビルトインガレージのある家の建築実例は、こちらをご覧ください。

20〜30坪の注文住宅を建てる場合

建坪が20〜30坪の注文住宅は、いわゆる「狭小住宅」になるため、3階建てになるケースが多い傾向にあります。間取りの目安は2〜3LDKで、1階部分に車1台分のビルトインガレージと隣接する居室を1つ作り、2階もしくは3階にLDKを設置します。

動線を考えると、2階部分にLDKを設置したほうが荷物運びは楽になるでしょう。エレベーターを設置して、3階部分に子ども部屋や寝室を持って行けば、シャッターの開閉音やエンジン音の対策になります。耐震性能を考えると、ビルトインガレージを作る場合は鉄骨造や鉄筋コンクリート造がメインです。そのため屋上テラスを作り、有効なスペースを確保するという人もいます。

30〜40坪の注文住宅を建てる場合

ビルトインガレージを設ける住宅の規模を考える際に参考となるのが、住宅取得者の実態データです。住宅金融支援機構の「2024年度フラット35利用者調査」によると、注文住宅の平均所要資金は次の通りです。

・注文住宅：3,936万円（前年度＋73万円）／建築面積：118.5㎡

・土地付注文住宅：5,007万円（前年度＋104万円）／建築面積：111.1㎡

これらのデータから、30〜40坪前後（約99〜132㎡）が注文住宅の平均的な広さであることが分かります。たとえば、40坪（約132㎡）の広さがあれば、十分な居住スペースを確保しながら1〜2台分のビルトインガレージを組み込めるでしょう。

平屋建てや3階建ての場合は、ガレージの配置によって間取りが変化します。たとえば、1階にガレージを設けて2階に居住スペースを配置すると、縦の動線が増える可能性があります。音・振動・視線といったガレージ特有の要素も考慮し、寝室や子ども部屋はガレージから離して設けるのが理想です。

50坪以上の注文住宅を建てる場合

50坪を超える注文住宅は、5〜6人以上が快適に暮らせるほどの広さがあり、余裕のある間取りが実現します。たとえば2階建ての場合、居室はすべて2階部分にまとめ、1階部分には2台分のビルトインガレージを設けたほかに、LDKや水回りを配置することも可能です。

また平屋でも、50坪あれば車2台分の駐車スペースを確保できます。横移動が長いI型でも、玄関を挟んでビルトインガレージとリビングを設置すれば、居室がまとまりやすくなり音も気になりません。

50坪の3階建ては二世帯住宅も想定されるため、ビルトインガレージを設置する場合は、駐車スペースが何台必要かによって居室の数が変わります。音の問題などに配慮すると、ご年配の方は3階部分で過ごしてもらうのがよいものの、エレベーターの設置も検討する必要があるでしょう。

ビルトインガレージの間取り決めで困ったら、施工実績が多数のトヨタホームに相談しよう

注文住宅でビルトインガレージを設置するには、気を付けるべき点がたくさんあります。「こんな間取りがいいな」とイメージしていても、実際に生活してみると理想と異なるケースも珍しくありません。

建築したあとに後悔しないためにも、ビルトインガレージの施工実績が多いハウスメーカーに依頼しましょう。トヨタホームなら、あなたのイメージ通りのビルトインガレージ付きの注文住宅を建てられるはずです。

トヨタホームの「鉄骨ラーメンユニット構造」は、強度と自由度の両立が可能で、大開口設計による広々としたビルトインガレージを実現できます。高気密・高断熱性能や全館空調と組み合わせると、夏も冬も快適なガレージライフを叶えられるのも魅力です。「イメージ通り」で終わらず「暮らして納得できる間取り」を実現したい方は、ぜひトヨタホームにご相談ください。

【全国のトヨタホーム展示場を探す】
https://www.toyotahome.co.jp/s/tenjijo/?ad_cd=hometag
【カタログ請求はこちら】
https://www.toyotahome.co.jp/s/catalog/?ad_cd=hometag

トヨタホームの2階建ての建築実例はこちら

トヨタホームのビルトイン/インナーガレージの建築実例はこちら