注文住宅を建てたいと思っても「何から始めればよいのか」「どのくらいの期間とお金がかかるのか」など、分からないことばかりで不安になりがちです。しかし、全体の流れを先に把握しておけば、今やるべきことや準備する時期が見えてスムーズに進められます。
この記事では、注文住宅を建てる流れを9つのステップに分け、順番に分かりやすく解説します。必要な期間や費用、支払いのタイミング、各段階で注意したいポイントも紹介するので、注文住宅の購入を検討する際の参考にしてください。
<このような方におすすめ>
・注文住宅を建てたいけど、何から始めればよいか分からず一歩を踏み出せない方
・完成までにどのくらいの期間と費用がかかるのか、全体像を把握しておきたい方
・土地探しと建築会社選びのどちらを先に進めるべきか迷っている方
<この記事のまとめ>
・注文住宅は資金計画から引き渡しまで9ステップで進み、土地探しから始める場合は入居まで約1年〜1年半が目安である
・費用は本体工事費約70%・付帯工事費約20%・諸費用約10%を目安に構成され、契約や工事の進行に合わせて数回に分けて支払う
・完成前に土地代や着工金が必要になるため、手元資金で足りない場合はつなぎ融資や分割融資を検討し、資金計画に余裕を持たせることが重要である
注文住宅とは?建売住宅との違いは?

注文住宅は、施工会社と建築工事請負契約を結び、土地の条件や家族の希望に合わせて設計・建築する住宅です。間取り・設備・内装などを細かく決められるため、自由度の高さが魅力です。将来のリフォームを見据えた設計がしやすく、着工から完成までの過程を確認できる点も特徴といえます。
一方、建売住宅は土地と建物をセットで購入する住宅です。完成済みの物件なら実物を確認でき、比較的早く入居しやすい反面、間取りや仕様の自由度は注文住宅より限られます。また、建売住宅には完成前に販売される物件もあり、こうした販売方法は「青田売り」と呼ばれます。
なお、建築条件付き土地は、指定された建築会社と一定期間内に工事請負契約を結ぶことを条件として販売される土地です。期限内に請負契約が成立しなければ、土地売買契約は白紙となり、受領済みの金銭が返還されます。土地と建物をセットで購入する建売住宅とは契約の仕組みが異なります。
| 比較項目 | 注文住宅 | 建売住宅 |
| 設計の自由度 | 高い | 低め |
| 費用 | 選択する仕様や設備によって変動しやすい | 総額を把握しやすい |
| 入居までの期間 | 長め | 完成済みなら短め |
| 打ち合わせ・手続き | 多い | 比較的少ない |
このように、間取りやデザインにこだわり、自分たちの暮らしに合った住まいをつくりたい人には注文住宅が向いています。一方、住まい選びの手間や入居までの期間を抑えたい場合は、建売住宅が選択肢となるでしょう。
どちらが適しているかは、予算だけでなく、家づくりで何を優先したいかで変わります。
注文住宅とは?建売住宅との違いは?価格の相場や流れも分かりやすく解説
注文住宅を建てる流れ【9ステップ一覧表】
注文住宅を建てる流れは、大きく9つのステップに分けられます。ここでは、検討開始から入居までの流れを解説します。まずは全体像と各工程にかかる期間の目安を一覧表で確認し、家づくりのスケジュール感をつかみましょう。
| ステップ | やること | 期間の目安 |
| ① | 資金計画・イメージづくり | 約1~2ヶ月 |
| ② | 土地探し | 人により数ヶ月~1年以上 |
| ③ | ハウスメーカー・工務店選び | 約1~2ヶ月 |
| ④ | 間取りプラン・見積もり依頼 | 約1~2ヶ月 |
| ⑤ | 住宅ローンの事前審査(仮審査) | 約1~2週間 |
| ⑥ | 工事請負契約 | 約2週間~1ヶ月 |
| ⑦ | 建築確認申請・ローン本審査 | 約1~2ヶ月 |
| ⑧ | 着工~上棟~工事 | 約3~6ヶ月 |
| ⑨ | 完成・引き渡し | 約2週間~1ヶ月 |
土地探しから始める場合は、検討開始から入居まで約1年~1年半が目安ですが、探している土地の条件によっては、希望の土地が見つかるまでに時間がかかり、それ以上の期間が必要な場合もあります。すでに土地を所有している場合は②土地探しを省略できるため、8ステップとなります。
また、土地を購入する場合は、候補地の決定後、住宅ローンの事前審査や建築会社による敷地確認などを経て、土地売買契約へ進みます。売買契約と融資手続きの順序・期限は取引条件によって異なるため、不動産会社や金融機関へ確認しましょう。
なお、各工程は一部を並行して進めるため、表に記載した期間の単純合計が入居までの総期間になるわけではありません。
注文住宅9ステップの詳細|各工程でやること・注意点
ここからは、注文住宅を建てる9つのステップを順番に解説します。各工程で「何を決め、何に注意すべきか」を押さえておくと、家づくりをスムーズに進められます。
①資金計画・イメージづくり
最初に、家族でどのような暮らしをしたいか話し合い、希望を整理します。「絶対に譲れないこと」と「できれば叶えたいこと」に分けて家づくりノートへ書き出すと、優先順位が明確になります。
同時に、自己資金と無理なく返せる住宅ローン額から予算を立てましょう。本体工事費・付帯工事費・諸費用まで含めた総額で考えることがポイントです。イメージづくりと資金計画は並行して進めます。
②土地探し
土地がない場合は、不動産情報サイトや不動産会社で希望エリアの相場を確認し、予算に合う土地を探します。気になる土地が見つかったら現地を訪れ、交通や買い物の利便性・周辺環境・騒音・日当たりなども確認しましょう。
ハウスメーカーや工務店が土地探しをサポートしてくれる場合もあるため、建築会社選びと並行して進めると効率的です。すでに土地がある人は、このステップを飛ばして③に進みます。
注文住宅の坪単価ってどうやって計算するの?平均相場も合わせてリサーチ!
③ハウスメーカー・工務店選び
注文住宅の主な依頼先には、ハウスメーカー・工務店・設計事務所があります。それぞれ得意な工法やデザイン、対応範囲などが異なるため、施工事例やモデルハウス、完成見学会などで実物を確認しましょう。
複数社を比較し、候補を2~3社程度まで絞ると検討しやすくなります。デザイン・性能・価格だけでなく、説明の分かりやすさや担当者との相性も重要な判断基準です。
④間取りプラン・見積もり依頼
候補の住宅会社を絞ったら、希望条件と予算を伝えて「間取り図」「概算見積もり」「資金計画書」の作成を依頼します。複数社から提案を受ける場合は総額だけでなく、見積もりに含まれる工事や設備、別途必要になる費用まで比較しましょう。
⑤住宅ローンの事前審査(仮審査)
間取りと概算見積もりが固まったら、金融機関へ住宅ローンの事前審査を申し込みます。審査では完済時年齢・年収・健康状態など「返済能力」が重視されますが、判断基準は金融機関によって異なります。審査前に自動車ローンやカードローンなど新たな借入れを増やすと、返済負担率の審査に影響する場合があります。
また、延滞分を支払っても信用情報の履歴が直ちに消えるわけではありません。信用情報が気になる場合は、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターへ本人開示を請求して確認しましょう。
⑥工事請負契約
依頼先を1社に決め、建築会社と工事請負契約を結びます。契約前には、仕様・設備・費用・キャンセルや変更の可否まで細かく確認しましょう。契約時に契約金(着手金)を支払う場合がありますが、金額や条件は住宅会社によって異なります。
目安は建築費用の約10%です。不明点を残したまま署名をしてはいけません。契約書と見積書を照合し、内容に納得してから契約することが大切です。土地を購入する場合は、事前審査の結果や建築計画を確認したうえで土地売買契約へ進むのが一般的ですが、契約時期は取引条件によって異なります。
⑦建築確認申請・ローン本審査
契約後は詳細な打ち合わせを進め、間取り・設備・内外装などを最終決定します。その後、建築会社が建築確認申請を行い、確認済証の交付を受けてから着工する流れです。
住宅ローンの本審査は、一般的に工事請負契約後、建築計画や借入れ希望額が固まった段階で申し込みます。本審査では工事請負契約書・見積書・図面などに加え、金融機関によっては確認済証や建築確認申請書の提出も必要です。必要書類と提出時期は金融機関によって異なるため、事前審査を受ける際に確認しておきましょう。
⑧着工~上棟~工事
必要な手続きが整ったら着工です。工事車両の出入りや騒音が発生するため、地鎮祭当日など着工前に近隣へあいさつしておくと安心です。地鎮祭や上棟式を行うかどうかは施主の希望で決められます。
工事中は可能な範囲で現場を訪れ、進捗や図面との相違を確認しましょう。コンセントやスイッチなどで気になる点があれば、担当者を通して相談します。着工から完成までは約3~6ヶ月が目安です。
⑨完成・引き渡し
建物が完成したら、建築主事または指定確認検査機関による完了検査を受け、法令に適合していると検査済証が交付されます。その後、引き渡し前の施主検査で傷・汚れ・設備の動作・建具の開閉などを確認しましょう。
気になる箇所は写真や書面に残し、補修内容と完了時期を住宅会社と共有します。問題がなければ残代金を支払い、鍵や保証関係の書類を受け取ります。住宅ローンは、建物の引き渡しに合わせて実行されるのが一般的です。
注文住宅の完成までにかかる期間は約1年~1年半

注文住宅は、検討を始めてから入居まで約1年~1年半を見込んでおくと計画がスムーズです。ただし、土地の有無や打ち合わせ回数、建物の規模・工法によって期間は変わります。
ここでは、土地探しから始める場合と、土地が決まっている場合に分けて、注文住宅の完成までにかかる期間の目安を解説します。
土地探しから始める場合
土地探しから始める場合は、検討開始から入居まで約1年~1年半(12~18ヶ月)が目安です。土地探しは期間を読みづらく、希望エリアや予算、広さなどの条件によっては数ヶ月から1年以上かかるケースもあります。
土地が決まった後も、売買契約や住宅ローンの手続き、建物の設計を進める必要があるため、土地を所有している場合よりも時間がかかる傾向があります。「子どもの入学までに入居したい」などの希望時期がある場合は、逆算して余裕を持って動き始めましょう。
土地が決まっている場合
すでに土地を所有している場合は、土地探しの期間を省けるため、約8ヶ月~1年で完成するケースもあります。住宅会社選び・設計・住宅ローン・建築確認・工事などに集中でき、スケジュールを短縮しやすい点は大きなメリットです。
ただし、打ち合わせが長引いたり、プラン変更が生じたりすれば完成時期も後ろにずれます。土地がある場合でも、希望する入居日から逆算して計画しましょう。
着工から完成までの期間の目安
着工から引き渡しまでは、工法や建物の規模によって約3~6ヶ月が目安です。工法によって現場工程が異なるため、工期に差が生じる場合があります。
ただし実際の工期は、工法や建物の規模、設計内容によって異なり、こだわりの多い住宅ほど長くなる傾向です。また、大雨や台風などの天候、資材の納期によって予定がずれる可能性もあります。工期が延びると、仮住まいの家賃や引っ越し時期、つなぎ融資の利息負担にも影響しかねません。
契約時には着工日と完成予定日だけでなく、遅延した場合の対応も確認し、入居日は余裕を持って設定しましょう。
注文住宅の費用と支払いタイミング

注文住宅の費用は、土地代・建築費用・諸費用で構成され、複数のタイミングに分けて支払います。ここでは、費用の内訳と支払いスケジュール、自己資金が足りないときに使う「つなぎ融資」について解説します。
費用の内訳(本体・付帯・諸費用)
注文住宅の建築費は、主に本体工事費・付帯工事費・諸費用に分けられます。建築費用のうち、一般的な割合の目安は本体工事費が約70%、付帯工事費が約20%、諸費用が約10%です。
| 費用 | 主な内容 | 割合の目安 |
| 本体工事費 | 建物本体の工事にかかる費用 | 約70% |
| 付帯工事費 | 庭・駐車場など建物以外の工事費用 | 約20% |
| 諸費用 | 登記費用・各種手数料・引っ越し費用など | 約10% |
土地から購入する場合は、これらに土地代も加わります。諸費用には現金払いとなるものもあるため、手元資金も確保しておきましょう。
支払いスケジュールとつなぎ融資
注文住宅の建築費は、契約や工事の進行に合わせて数回に分けて支払うのが一般的です。支払い割合は住宅会社によって異なるため、契約前に確認しましょう。主なタイミングと金額の目安は次のとおりです。
| タイミング | 支払い内容 | 金額の目安 |
| 土地売買契約時 | 手付金 | 土地価格の5~10% |
| 工事請負契約時 | 契約金(着手金) | 建築費用の約10% |
| 着工時 | 着工金 | 建築費用の約30% |
| 上棟時 | 中間金 | 建築費用の約30% |
| 引き渡し時 | 建物の残金 | 残額 |
※金額の目安は建築会社により異なります。
一般的な住宅ローンでは、完成した建物の引き渡しに合わせて融資が実行されます。ただし、注文住宅向けに土地先行融資や分割融資を扱う金融機関もあります。
そのため、土地代・着工金・中間金を自己資金だけで賄えない場合は、つなぎ融資・土地先行融資・分割融資などを検討します。取扱商品や実行できる時期は金融機関によって異なるため、金利・手数料・返済開始時期を含めて比較しましょう。
注文住宅の流れで失敗しないための3つの注意点
家づくりをスムーズに進めるには、スケジュール・契約内容・資金計画が重要です。特に注意したい3点を解説します。
スケジュールは余裕を持って逆算する
希望する入居日から逆算して早めに準備を始めることが大切です。土地探しや設計の打ち合わせは想定より長引くケースがあります。着工後も天候や資材搬入の遅延によって工期が延びるかもしれません。
特に「子どもの入学まで」「現在の賃貸契約が切れるまで」など期限が決まっている場合は、目安どおりに進むことを前提にせず、余裕を持たせたスケジュールを組みましょう。
契約前に内容をしっかり確認する
工事請負契約後の変更は、追加費用や工期延長につながったり、内容によっては対応できなかったりする場合があります。契約前に、希望する間取り・仕様・設備が反映されているか、見積もりに漏れがないか、変更やキャンセルの条件まで確認しましょう。
打ち合わせで決まった内容は書面やメールなどに残し、施主と住宅会社の間で「認識の相違によるトラブル」を防ぐことも重要です。
資金計画は余裕を持たせる
家づくりでは、地盤改良や仕様変更などによって、当初の想定より費用が増える場合があります。そのため、予算いっぱいまで建築費に充てず、急な支出にも対応できる余裕を残しておきましょう。
また、登記費用やローン関係費用など、現金で支払う費用もあります。総予算だけでなく「いつ・いくら必要になるか」まで確認し、生活費や予備資金を確保したうえで資金計画を立てることが大切です。
流れを理解して理想の家づくりを始めよう

注文住宅は、資金計画・土地探し・住宅会社選び・工事・引き渡しまで、多くの工程があります。しかし、全体の流れとスケジュール感を把握しておけば「今、自分が何をすべきか」が明確になり、家づくりを落ち着いて進められます。
まずは家族で理想の暮らしを話し合い、無理のない予算の目安を立てることが第一歩です。トヨタホームでは、土地探しや資金計画も相談できるため、お気軽にご相談ください。
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注文住宅の流れに関するよくある質問
注文住宅は何から始めればよいですか?
まずは「どんな家で、どのように暮らしたいか」を家族で話し合い、希望条件を整理しましょう。同時に、自己資金と無理なく返済できる住宅ローン額から予算も考えます。イメージと資金計画を並行して進めると、その後の土地探しや住宅会社選びを進めやすくなります。
土地探しと建築会社選びはどちらを先にすべきですか?
土地探しと建築会社選びは、並行して進めるのがおすすめです。ハウスメーカーや工務店は土地探しもサポートしてくれることが多く、建物の希望を踏まえて候補地を紹介してもらえる場合もあります。土地だけを先に購入すると、法規制や敷地条件で希望の間取りを実現できない場合もあるため注意しましょう。
頭金(自己資金)なしでも注文住宅は建てられますか?
頭金なしで利用できる住宅ローンもありますが、注文住宅では完成前に土地代や契約金、着工金などが必要になる場合があります。手元資金で賄えないときは、つなぎ融資や分割融資も選択肢です。金利や手数料を含め、必要な自己資金を確認したうえで進めましょう。
注文住宅の完成までどのくらいの期間がかかりますか?
土地探しから始める場合は、入居まで約1年~1年半が目安です。土地がすでに決まっている場合は約8ヶ月~1年、着工から完成までは約3~6ヶ月が目安です。打ち合わせや工事状況によって前後するため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
注文住宅の予算はいつ決めればよいですか?
家づくりを始める初期段階で、予算の目安を決めておきましょう。建物本体の価格だけでなく、土地代、外構工事、各種税金・手数料、引っ越し費用なども含めた総額で考えることが重要です。住宅ローンの返済額も考慮し、無理のない資金計画を立てましょう。
注文住宅の間取りはいつ決めますか?
ハウスメーカーや建築会社をある程度絞り込み、建築する土地の条件が分かってから具体的な間取りを検討するのが一般的です。家族構成やライフスタイル、家事動線、収納、採光などの希望を伝えながらプランをつくり、見積もりと合わせて内容を調整していきます。
注文住宅ではいつ住宅ローンを申し込みますか?
一般的には、ハウスメーカーや土地の候補が決まり、必要な借入額が見えてきた段階で住宅ローンの事前審査を行います。その後、工事請負契約などを経て本審査を申し込み、融資の手続きを進めます。金融機関によって必要書類や審査期間が異なるため、早めに確認しておきましょう。
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